まず、原状回復工事とリノベーション工事の工事内容の違いを解説します。この違いを見てもらえれば、「入居前に戻す」原状回復と、「入居前よりグレードアップする」リノベーションの違いが分かると思います。
壁の黒ずみによるクロスの貼替
たとえば、エアコン等の裏側の壁面は、どうしても黒ずみができてしまいがちです。賃借人の入れ替えをするときには、そのクロスを貼替る必要があります。そのときに、このクロスを従来の室内クロスと同じクロスに貼替をすることを原状回復といいます。
家具跡
マットを敷いても、どうしても床には家具の後が付いたり、くぼみが出来てしまいます。そのフローリングやクッションフロアの
凹(へこみ)や傷を元通りに直すことが原状回復です。
画鋲やピンなどの穴
時計やカレンダー、写真や小物を壁に付けていたことによって穴が出来た場合には、クロスの貼替えをしなければなりません。
場合によって石膏ボードの貼替えが必要になります。
その際、従来のクロスや石膏ボードと同じ素材に入れ替ることを原状回復といいます。
汚れ
レンジフードやガスコンロの油汚れやお風呂やトイレの換気扇の蓄積による汚れです。
通常はハウスクリーニングで元に戻る場合が多いですが、あまりに汚れがひどいと設備を入れ替える必要があります。その設備の入れ替えを、従来付けていた設備に入れ替えることを原状回復といいます。
フローリングのワックス
フローリングのワックスは経年劣化により剥がれてきます。基本的に通常のワックスであれば2年弱ほど経つと剥がれムラが目立ちます。
そのような状態のものを、従来のワックスを塗りなおすのが原状回復です。